2025/11/08
自然素材のこと
自然素材で防ぐ、シックハウス症候群を遠ざける家づくり

静岡県浜松市の工務店のほっと住まいるです。
前回の記事では、シックハウス症候群の原因や、私自身が感じた“空気の違和感”についてお話ししました。
そして今回は、自然素材を取り入れた家づくりがどのようにシックハウス対策につながるのかをお伝えします。
化学物質を完全にゼロにするのは難しくても、「減らす」ことはできます。
自然素材の家は、その第一歩です。
化学物質を“ゼロ”にするのは難しい。でも、減らすことはできる。
現代の住宅では、建材や接着剤、塗料などに微量な化学物質が含まれています。
どんなに気をつけても、それを完全に排除することは難しいのが現実です。
けれども、使う素材や建て方を工夫することで、空気の質は大きく変わります。
そのカギとなるのが、「自然素材」です。

自然素材が“呼吸する家”をつくる
自然素材の大きな特徴は、調湿・吸放出機能と化学物質をほとんど含まない点。
無垢材や漆喰、珪藻土などは、人工建材のように化学接着剤を多用しないため、揮発性化学物質(VOC)の発生を抑えることができます。
🌲無垢材(床・天井・建具)
木そのものの香りや温もりに加え、空気中の湿気を吸ったり吐いたりしてくれる「調湿の力」があります。
また、接着剤を使わない分、化学物質の放出量が極めて少なく、安心して使える素材です。
🪨漆喰・珪藻土・シラス壁(壁材)
「呼吸する壁」と呼ばれるほど、空気を浄化する性質があります。
消臭・調湿効果があり、湿気やにおいがこもりにくい。
見た目にも味わい深く、経年変化を楽しめるのも魅力です。
🌾自然塗料・オイル
植物由来のオイルや蜜ろうワックスなどは、VOCの放出がほとんどなく、木の質感を活かしながら保護できる優しい塗料です。

家づくりで意識したいポイント
自然素材を選ぶこと以外にも、シックハウス対策にはいくつかのコツがあります。
施工中の換気をしっかり行うこと
→ 工事中に出る化学物質を屋外に逃がす。完成後の空気が全然違います。
家具選びにも注意すること
→ 家具も建材と同じくらい影響があります。「F☆☆☆☆」の表示を確認したり、無垢材や突板仕上げのものを選ぶと安心です。
定期的な換気を習慣にすること
→ 現代住宅は気密性が高いため、日常的な換気がとても大切。
実際に感じる「空気の違い」
自然素材の家に入ると、多くの方がまず「木のいい香りがする」と言われます。
無垢の木や塗り壁に包まれた空間は、香りや湿度の違いはもちろん、どこか“呼吸しやすい”空気が漂っています。
ほっと住まいるの家は、自然素材を取り入れた家づくりが特徴です。
とはいえ、家じゅうをすべて自然素材で仕上げると、どうしても金額が大きくなってしまいます。
そのため、自然素材と一般的な建材を半々で取り入れた家づくりが人気です。
ただ、実際に建ててみると、空気の違いがはっきりわかるんです。
たとえば「1階は自然素材、2階は一般建材」というお家の場合、階段を上がるにつれて、木の香りからビニールのような“新築のにおい”に変わる瞬間があります。
(おそらく、一般的に“新築の香り”と呼ばれているのはこの匂いだと思います)
実際にお客様からも、「2階に上がると空気が変わりますね」と言われたことが何度かあります。
そのたびに、「これが自然素材と建材の違いなんだな」と改めて感じます。
見た目のデザインだけでなく、
“見えない快適さ”こそが自然素材の本当の価値だと思います。
家族が安心して深呼吸できる家を
シックハウス症候群は、誰にでも起こりうる身近な問題です。
ですが、家づくりの段階で素材にこだわることで、そのリスクを大きく減らすことができます。
「体に優しい」「空気がきれい」「気持ちが落ち着く」
それらを叶えるのは、やはり“自然素材”の力です。
家族が安心して深呼吸できるような家。
そんな暮らしを、これからも提案していきたいと思います。
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